農地を太陽光発電にも活用

太陽光発電

大半の農地が転用可能に

日本の農業は長く個人経営の農家が主流を占めていましたが、近年では耕作放棄地の増加や農地法改正を背景として農業法人の参入が増えています。農業法人を対象として農地取得を支援する制度も整備されつつあり、後継者が不在のために使われていなかった農地の多くが集約されるようになりました。多額の資本を投入することで個人経営の農家よりも広大な農地を経営することが可能な農業法人にも、収益性という点ではまだまだ課題があります。農作物の栽培だけでは十分な収益を上げることができない問題点を解決できる可能性を持つ手法として、農業法人に注目されているのがソーラーシェアリングです。営農型太陽光発電とも呼ばれるソーラーシェアリングでは農地に支柱を立ててソーラーパネルを設置し、農作物の栽培と太陽光発電を両立させる仕組みが採用されています。農地を潰して太陽光発電設備を設置する従来の方法では、農地法による規制の壁が存在しました。2013年以降に農地法の規制が緩和される形で一定条件下でのソーラーパネル設置が許可されるようになり、ソーラーシェアリングが可能となったのです。ソーラーシェアリングは営農の継続を前提としており、作物栽培に支障がない遮光率の下でソーラーパネルを設置する必要があります。1年に1回の収量報告に加えて3年ごとの営農実績による審査も必要ですが、農作物には一定量以上の光を浴びてもそれ以上光合成が進まないという光飽和点も存在するものです。遮光率を33%に設定すれば大半の作物でソーラーシェアリングが可能と言われており、これまで無駄に降り注いでいた太陽光を発電に有効活用できるようになります。第1種農地や甲種農地も含めた大半の農地が、規制緩和によってソーラーシェアリングに転用可能となりました。現在の電力買取価格水準だと約10年で初期費用が回収できる計算となり、長期間運用するほど収益性が高まると期待されるのです。